「岩手」という地域のワーホリに応募しようと思ったきっかけは?
また、「大船渡温泉」を選んだ理由は?
訪れたことがない地方に行ってみたいと思い、東北地方に絞ってワーホリを探していたところ『バイトしながらいわて旅』のサイトを知り、様々な募集プログラムがあったため岩手県のワーホリに応募しようと決めました。
その中で大船渡温泉を選んだのにはいくつか理由があります。まず温泉が好きなので、住み込みで温泉に入れるのは大きな魅力でした。また、旅行に来ている方に『旅行の楽しさ』を提供できる宿泊施設で働くことは楽しそうだな、と思いました。大学の授業で災害の伝承について学んだことがあり、さらに学びを深めたいと思ったため、『東日本大震災津波伝承館 いわてTSUNAMIメモリアル』などの震災伝承施設が近くにあることが決め手となりました。車の免許を持っていないので、BRTでいろんなところに移動できるのも選んだ理由の一つです。
受入先でのお仕事はいかがでしたか?
受入先でのお仕事は主にカトラリーの準備やテーブルのセット、お客様への配膳や下膳でした。
お盆や土日はとても忙しかったのですが、受入先の方々が的確に指示をくださり、安心して働くことができました。
お休みはどのように過ごしましたか?
お休みは5日間あり、様々な場所に行き充実した観光をしました。
『東日本大震災津波伝承館 いわてTSUNAMIメモリアル』をはじめ、陸前高田市立博物館や震災伝承施設 潮目で震災やその伝承方法について学びを深めたほか、人生ではじめて灯籠流しを見ることができました。
三陸で獲れた海の幸はどれも美味しかったのですが、海鮮以外にも大船渡郷土菓子の『なべやき』の黒糖の自然な甘さがおいしく、印象に残っています。
また、岩手から帰る日に訪れた盛岡では南部鉄器で淹れられた椿茶を飲むことができ、いい経験になりました。
~Sさんのバイトしながらいわて旅~
就業しながらお休みの日には地域の方にいろいろな場所に連れて行っていただき、普通の旅行では得られない多くの経験を積むことができました。学びたかった事、見てみたかったもの、食べてみたかったもの、それらを叶えることができた旅でした。
夜行バスで仙台に朝早く着いてから少し仙台を観光した後、大船渡温泉に向かいました。
お客様と同じ夕食を社長といただくということで緊張しましたが、私が大学で学んでいることを偶然社長も学ばれたということで話が盛り上がり、美味しく、新たな知見も得られた夕食でした。
私は遅番で13時からの勤務だったため、午前は温泉に入ったりして前日の移動の疲れをとり、午後からの勤務に備えました。
お盆の土曜日ということでお客様は多くいらっしゃいましたが、受入先の方々やワーホリで先に就業していた方に優しくいろいろなことを教えていていただき、何とか初日の勤務を終えることができました。
この日ははじめての休日で、まずは三陸鉄道に乗って三陸駅に行き、震災伝承施設である『潮目』を訪れました。潮目の見学や近くのど根性ポプラを見た後、恋し浜駅までお散歩しました。
夜は支配人のお知り合いのNさんに灯籠流しに連れて行っていただきました。Nさんに様々なことをお話ししていただき、大船渡という場所がさらに好きになりました。
灯籠流しの後に支配人と合流し、花火を見ることができました。実際に花火を見たことがあまりなかったため、灯籠流し・花火と、幻想的な光景を続けて眺めることができ、幸せな時間でした。
この日もお休みだったため、大船渡市の隣の陸前高田市に点在するいくつかの震災遺構を見て回りました。
いつか行きたいと思っていた『東日本大震災津波伝承館 いわてTSUNAMIメモリアル』では、東日本大震災だけでなく津波災害の歴史なども知ることができ、知りたかったこと以上のものを知ることができました。
この日は午前中に支配人に碁石海岸と穴通磯に連れて行っていただきました。
碁石海岸に存在する雷岩が鳴らす音は非常に雷に似ており、迫力があるなと思ったのですが、震災以前に雷岩の音が鳴らす音はもっと大きかったそうです。
また、午後の勤務の休憩中には、大船渡温泉の駐車場の近くでカモシカの親子を見ることができました。カモシカはウシ科であることを受入先の方に教えていただき驚いたのですが、実際に見てもカモシカはやはり鹿に似ていました。
この日の午前中に、支配人のお知り合いのAさんが大船渡市初さんま祭に連れて行ってくださいました。
大船渡市は本州で一番早くさんまの水揚げがされるようで、このお祭りではなんと8千匹のさんまが無料で提供されるのです。無料のさんまはもちろん、さんまのつみれ汁やタコスなどの屋台料理を楽しみました。
この日はお休みで大船渡滞在も終わりに近づいていたため、かもめテラスに行きました。お土産を選んだり、カモメの羽がついたソフトクリームを食べたりしました。
早く大船渡温泉に戻ることができたため、その後、ランニングウェアに着替えて趣味のランニングを楽しみました。
徐々に日が沈んでいくリアス海岸を眺めながら走っていると、もう大船渡に滞在できるのもあと少しなのだと実感し、最後の勤務日である翌日を頑張ろうと意気込みました。

勤務後、お世話になった職場の方々に挨拶をして部屋に戻り、あっという間だったワーホリについて思い返していました。参加する前は心配だった側面もありましたが、いざ参加してみると、予想よりも多くのものが得られた19泊20日でした。
東京に帰る前に盛岡観光をしたいと思い、北上して盛岡に向かいました。
盛岡では南部鉄器で淹れられた椿茶を飲んだり、岩手銀行赤レンガ館などを訪れたりし、限られた時間でしたが、盛岡観光を満喫できました。