
自然あふれる遠野の地で、自分の可能性を見つけることができた11日間

T.Oさん
滞在期間 2025/8/6~2025/8/17
「岩手」という地域のワーホリに応募しようと思ったきっかけは?
また、「道の駅遠野風の丘」を選んだ理由は?
友達から、ふるさとワーキングホリデーのサイトを教えてもらい、ずっと夏休みに一定期間他の地域で、都心部では経験できないことをしたいと思っていた私は、サイトを随時チェックしていました。ある時期に「バイトしながらいわて旅」の募集を見つけ、これに行きたい!と心に決めました。
岩手県は10年ほど前に一度、家族旅行で訪れたことがある程度でしたが、その際に自然の豊かさ、ご飯の美味しさ、そして人の温かさに衝撃を受けたのを覚えています。いつかもう一度岩手県を訪れたいという気持ちがあり、今回絶好のチャンスだと思い応募させていただきました。
わたしは今回、道の駅遠野風の丘を選びました。この場所を選んだ理由としては、特産品や地域を代表するお土産が売っていて、その土地の魅力がぎゅっと詰まっている道の駅という場所が好きだからです。また、風の丘は、じゃらんによる全国道の駅グランプリ2025で4位を取っていて、投票した人がどんなところに魅力を感じたのかを私も知りたいと思い、勤務を希望しました。
受入先でのお仕事はいかがでしたか?
私は、主にレジ業務を担当しました。
勤務初日に10分ほどレクチャーを受けたあと、ひたすら実践という形で、レクチャーを受けた30分後にはお客様と対面していました。カゴの中にどうしたら綺麗に詰められるのか、またお客様一人当たりにかける時間をいかに短くできるかを常に考えながら勤務しました。
お盆ということもあり、店内はいつも賑わっていて、特に混んでいる日は10人以上レジに並んでいることもありました。豊富な品揃えに陳列の綺麗さ、スタッフのみなさんの意識の高さ、全てが風の丘の人気な理由なのだと思います。実際、私も休みの日にお土産を買いに訪れましたが、また来たいと思わせる魅力が風の丘にはありました。
初日は分からないことだらけでしたが、その度に社員さんや他のアルバイトの方達に助けていただきました。スタッフのみなさんはとても温かく、休憩時間中や、お客様が途切れたタイミングなどで気さくに話しかけてくれて、最終日には他愛もない世間話もできるくらいに仲良くなることができました。お客様もフレンドリーな方が多く、たくさん話すことができて嬉しかったです。
なにより初日にはできなかったことができるようになる瞬間に、自分の成長を感じ誇らしい気持ちになりました。
お休みはどのように過ごしましたか?
滞在中、毎日のように現地の方がご飯に連れて行ってくださり、焼肉や冷麺、海鮮やパドロン、そして遠野名物バケツジンギスカンまでも味わうことができました。どれもありきたりな言葉では表せないくらい美味しくて、さらに遠野の方々が、わたしが口にしたその光景を自慢げに、そして微笑ましく美味しいでしょ〜と言いながら、見守ってくれているのまで含めて、すごく温かい時間でした。
また、遠野の風の気持ちよさと空気の綺麗さ、見晴らしの良さ、そして雲海には驚かされました。普段、都心部に住んでいるだけでは絶対に味わえないものに出会い、心の底から遠野に来て良かったと感じたのを覚えています。
仕事が休みの日は、遠野市内にある猫がいるカフェ 食堂喫茶「CocoKana」に行き、ジビエサンドとハックルベリーソフトをいただきました。美味しいのはもちろん、店員さんとの会話も含めてすごく楽しい時間を過ごせました。
遠野で知り合った方が六神石(ろっこうし)神社の宮司さんで、六神石神社を案内してくれました。普段は見ることができないような神輿や神楽殿の中までも見せていただき、あまりのすごさに言葉を失いました。
何代も前からある思いを、これから先もずっと色褪せることなく受け継いでいってほしいです。
~T.Oさんのバイトしながらいわて旅~
バイトしながらいわて旅を通して1番感じたことは、遠野に住んでいる方々が、遠野という地に愛着があるということです。
好きだからこそ、私を色々な場所に連れて行って魅力を伝えようとしてくれたり、美味しいものをたくさん食べさせてくれるのだと思います。
そして、遠野で起こっている問題を自分ごととして捉え、解決策を模索し、実行しようとしている。「好き」だということは大きな原動力になることを実感しました。私もこれから何かに挑戦する際、「好き」という気持ちを大切に、頑張りたいです。
遠野市は、住んでいる人同士の繋がりが強く、もれなく全員が温かい人でした。文字通り「よそ者」の私を受け入れてくれて、かわいがってくれました。お別れの時にも、「また来てね」と声をかけてくれてすごく嬉しかったです。「また遠野に帰ってきます」という言葉が自然と自分の口からこぼれた時、私の中で遠野が帰る場所になっているのだということに気が付きました。遠野での毎日をここまで充実させてくれた遠野の方たちには感謝の気持ちでいっぱいです。
朝起きて用意をさっと済ませた後、まだ涼しくたくさんの自然に囲まれ心地よい風が吹く遠野を自転車で駆け抜けるところから1日が始まります。スタッフのみなさんと協力して1日働き終えた後、ゲストハウスに帰ると誰かがご飯に誘ってくれてご飯を食べに行く。本当に毎日が充実していました。
岩手県で過ごした時間は、間違いなく私の人生の中で、忘れることのできない貴重な時間です。たくさんの初めてに出会い、色々なことを経験させていただき、1人の人間として大きく成長できたような気がします。また、1人でもここまで頑張れるのだという自信に繋がりました。
バイトしながらいわて旅に参加する決断をして本当に良かったと心の底から思います。また機会があればぜひ参加させていただきたいです。
2025/8/6
今日は、岩手県遠野市に出発。新花巻駅から遠野駅に向かう途中で鹿を電車の中から見つけました。
地元の方に話しかけていただいて、お話しながら遠野駅へ。人の温かさを感じました。

2025/8/7
勤務初日。
10分くらいレクチャーを受けた後、いきなり実践へ。夜には風の丘のKさんが歓迎会を開いてくださりました。初めて遠野パドロンを食べたり、遠野という地について教えていただいたりして楽しく充実した時間でした。

2025/8/9
遠野に来て初めて天候に恵まれ、遠野の自然たっぷりな景色と心地よい風を堪能しながら自転車で通勤しました。何度も写真を撮りたい情景に出会い、その度に自転車を止めてフォルダに遠野の景色を足していきました。
夜は近所の方と一緒に、遠野名物バケツジンギスカンを食べました。初めてのジンギスカン!地元の人と遠野の涼しい夜にバケツジンギスカンを囲んで談笑する時間は都会では味わえないものだと感じました。

2025/8/10
風の丘で一緒に働くアルバイトの方たちや社員の方と日に日に仲良くなれ、既に別れが寂しくなっています。
夜は風の丘のKさんが、海鮮丼がおいしい「まぐろ家」さんに連れて行ってくださいました。食べた瞬間から衝撃で、ほっぺたが落ちてしまいそうなほど美味しかったです。大げさではなく、今まで食べた中で一番美味しかったです。

2025/8/11
遠野に来てから初めてのお休み。ゲストハウスに泊まっていた留学生と一緒に、猫がいるカフェ 食堂喫茶「CocoKana」へ。
豊富なメニューの中からジビエという文字に惹かれ、ジビエバーガーを食べました。店内に遠野市内でも方言が強い地域に住んでいる方がいて、話しかけてくださったのですが、半分以上何を言っているかわからず、曖昧に笑うことしかできませんでした。今自分が今まで訪れたことのないような場所にいるのだという実感がより湧きました。

2025/8/13
仕事が終わってゲストハウスへ帰ると、家の前で火を焚いていました。道路を見ると多くの家の前で焚かれている火が暗闇で燃えていて、なんだか幻想的でした。
ゲストハウスのオーナーさんに話を聞くと、迎え火と言ってご先祖様がその火を頼りに帰ってくるのだそうです。遠野に来て、今まで触れたことのない文化に出会いました。迎え火の前に椅子やテーブルを置いて、外で夜ご飯を食べました。遠野の夜は涼しく空気が綺麗で、そんな中食べるご飯は別格においしかったです。

2025/8/15
今日はお休み二日目。
まずは風の丘内に入る、とおのごはんで買った朝ご飯を外で食べました。遠野の新緑を見ながら食べる朝ご飯は別格でした。
そのあとは売店に行って友達へのお土産選び。店内を回っていると、働いているだけでは感じることのできない魅力をいくつも発見しました。
その後は六神石神社へ。知り合った方が六神石神社の宮司さんで、普段は見られないような神輿や神楽殿の中を見せてくださいました。神社でここまで心を動かされたのは初めてでした。

2025/8/16
朝4時に起きて高清水展望台に雲海を見に行きました。生まれて初めて雲海を見て、その綺麗さに言葉が出ませんでした。雲海の中に竜の頭のような割れ目があって、より幻想的でした。
そして勤務最終日。初日と比べて大分動き方が分かるようになってきて、頑張ってよかったと思いました。勤務時間が終わると、風の丘の方々が次々に声をかけてくださり、明日から会えない寂しさで胸がいっぱいになりました。
夜は、知り合った方が冷麺を作ってくれて、ゲストハウスでお話をしながら食べました。最後の夜にお世話になった方たちときちんと話せてよかったです。
2025/8/17
遠野最終日。
朝からゲストハウスのオーナーが起きてくれて、車が見えなくなるまで手を振ってくれました。遠野にいる間たくさん通った道を通りながら、今日で通るのも最後なんだと思う度に涙が出そうになりました。
「また遠野に帰ってきます」という言葉が自然と口からこぼれると、私の中で遠野が帰る場所になっていたことに気付きました。
また、遠野に帰ってきます。