バイトしながらいわて旅|ワーク&ステイ PROGRAM

実施レポート

[2022冬]株式会社海楽荘(大船渡温泉)

崔 鉉瑞(チェ・ヒョンソ)さん

留学の締めくくりは、大船渡で!
また訪れたい場所になりました。

崔 鉉瑞(チェ・ヒョンソ)さん

崔 鉉瑞(チェ・ヒョンソ)さん

滞在期間 2023/3/13~2023/3/27

岩手県「若者向けお試し就業・お試し居住体験促進事業」で参加

今まであまりやったことのない仕事(配膳業務)だったため、結構不安でもありましたが、皆様にいろいろ優しく指導していただき、今まで全然知らなかった、「お客様へサービスが提供するまでのプロセス」、「おもてなし精神」ということを奥深く肌で感じながら、学ぶことができました。
また、ほかのスタッフとお互いの違いを尊重しながらも、ドラマなどの共通の趣味を共有するなど楽しく交流できたこと、支配人や社長との交流・相談をしたことで自分の人生に関しても考え直すきっかけになったと思います。

今回、ワーホリに参加する前から、学生団体のボランティア活動で大船渡との関わりがあったため、前からお世話になっていた方々との交流を続けながらも、大船渡と三陸、広くは岩手のことを自分で勉強していこうとしました。その結果、大船渡の縄文遺跡・気仙大工、奥州の南部鉄器、平泉の平安時代・文化遺産などと接し、この地域のことを丸ごと理解していくことができました。
さらに、未曽有の複合災害であった、東日本大震災と復興に関する話を直接聞き、自分の視線で現場を見ていくことにより、いままで持っていた「被災地」という単純なイメージから離れ、今後災害に対する対応やまちづくりなどに関しても実践的な学びができ、有意義な時間でした。

「百聞は一見にしかず」ということわざがあります。これは韓国でも昔から伝来されたことわざであり、直接経験することの大切さを意味する表現で、今回のワーホリ!いわてに参加して実感したことでもあります。2週間という長いようで短い間、皆さんに迷惑をかけるのではないかという心配もあったのですが、地域の方々から聞く、地域の方々と話す、一緒に働くということは、一言では言えない楽しさがあり、特別な学びがありました。
自分の住んでいるところ、活動拠点から離れ、新しい経験をすることは確かに大変で苦しいことですが、それにより、今まで慣れていたところとは別のところ(私の場合は大船渡、三陸、岩手のことでしたが)と深く関わりを築いていくことにより、自分の人生の生き方、広くては人間のあり方に関して新たに見えることがあると思います。
みなさんもぜひ、岩手のワーホリに参加してみてください。

\受入企業から/
正直言うと最初は注意されることが多かったかもしれませんが、それを改善するために本人が努力している様子が伺え、好印象でした。また、今回初めて外国籍の方を受け入れましたが、本人もお客様も、双方コミュニケーションを楽しんでくれていたのが、良かったです。
みんなが楽しく働いてくれました。機会があれば、ぜひまた来て欲しいです。

\事務局から/
日本語についても深く理解されており、聡明でありながらも非常に明るく気さくなお人柄のおかげで、受入までスムーズに進めることができました。また、会話の中でいつも謙虚な姿勢が感じられて、丁寧なコミュニケーション・対話を心がけている方なのだなという印象を持ちました。
志田支配人やお客様からも、積極性やそのコミュニケーション力の高さをご評価していただきましたね。今回のこの就業経験が、チェさんの新しい価値観の創造や、新しいチャレンジへのきっかけになっていたら嬉しいです。
これからも越喜来をはじめとして大船渡の地域の方々とも交流を続けられることと思いますが、ぜひまた近いうちに日本へ、岩手へ!大船渡へ!!遊びに来てくださいね。またいつか再会できることを楽しみにお待ちしております。
留学の最後の最後に、岩手とご縁を作っていただき、どうもありがとうございました!

文化にも、グルメにも、まちの魅力にも触れた、私の盛岡滞在記

【ついに、盛岡に到着!】
選考を経て、『支配人の方が、ぜひチェさんに来ていただきたいと…』そこから今回のワーホリが始まった。
各種案内をいただき、必要なものや切符の購入・荷物の準備などなど…来県前一週間があっという間に過ぎた。
いよいよ、今日が来県当日。新幹線に乗り込み、まずはワーホリ事務局がある盛岡に向かった。どんどん離れていく東京、なぜかちゃんとした言葉で言えない淋しさが感じられた。でも、今回のワーホリは新しいことへのチャレンジでもあり、前向きな姿勢でやっていこうと、どんどん北へと移り変わる車窓の風景を見ながら考えた。
盛岡に着いたら、東京よりは寒く、さすが東北!とは感じたが、幸い、そこまで冷え込んでいる気はしなかった。むしろ、みどりの窓口の係員さんの訛りのある案内で、自分が岩手に着いたということを実感した。

夕飯は盛岡じゃじゃ麺。母国にもジャージャー麺があるため、比べながら食べられる楽しさがあった。盛岡のじゃじゃ麺はソースの味が濃くなく、野菜はキュウリがメインであるため、さっぱりした味だった。具材として玉ねぎ、豚肉のミンチがたくさん入る韓国のジャージャー麺とは結構違うものだった。でも、両方とも魅力があって、盛岡じゃじゃ麵もおいしく食べられた。
ホテルにチェックインすると、事務局の方が預けてくれていた書類封筒を一つもらった。「ウェルカム!」の挨拶と、可愛いスマイルの絵が描かれていて、温かく歓迎してもらっている感じがして、緊張感も少し和らいだ。
明日はまた岩手のどんな魅力を探せるようになるだろう。楽しみになる一晩だった。

【盛岡のまちを散策!グルメもたっぷり堪能した1日に】
今日はすごく晴れていたので、岩手山がすごく美しかった。富士山のほうよりいいかも?とも思われるくらい。
午後からは、盛岡市内のまち歩きをした。
まずは「花より団子」。盛岡の名物・冷麺を食べに行った。冷麺は、元々朝鮮半島が発祥だが、盛岡冷麺は母国で食べたものと結構違う感じがした。例えば、韓国のものは麺がもっと太くて、スープにキムチを入れるとかは、ない。でも、おいしいし、カルビと一緒に食べたらもっとおいしかったので満腹になり、幸せになった。(笑)

盛岡の中心部にある櫻山神社に寄り、今回のワーホリが無事に終わることを神様の前で祈った。その印として、御朱印もちゃんともらったので、結構しっかりとしたお参りとなったと言える。当日気になって引いてみたおみくじは「小吉」。「焦れば焦るほど苦しみ多く、騒げば騒ぐほど損をする」という話で、今回のワーホリは、少しは気長にやっていこうとも思った。
そのあと、東京駅を手掛けた方が設計した「岩手銀行赤レンガ館」、南部氏が築城し、時代ごとに増築された見事な石垣が残っている「盛岡城跡公園」、県庁と神社の間にあったおしゃれなカフェを巡り、岩手産の上質な豚肉で作られたとんかつ定食を食べたことで、盛岡のまち歩きを終えた。
今日は、まち歩き等を通して、盛岡は前から、豊富できれいな水(淡水)をもとに、社会・文化が栄え、南部氏の支配などで都市が繁盛し、いろんな魅力を持つようになったということをよく感じられた一日だった。

【広い岩手県でも、それぞれの地域の違いや魅力に触れたい!】
盛岡での滞在があっという間に過ぎ、いざ大船渡への出発も目前となった。
ガイダンスが行われる事務局を目指し、大通りを歩いた。通りにちょうど事務局のある「ジョブカフェいわて」の看板が掲げられていて、何か歓迎してもらっているように感じられ、非常に気持ちよく向かうことができた。
この度、ワーホリの参加が叶うよう、調整をしてくれた事務局の担当の方と、ワーホリ全般の内容から、現地に向かう直前に気になる部分・不安になる部分などをもう一回相談することができて、本格的に活動を始める前に、もう一回自分なりに心構えをすることができた。また、今回参加が決定する前の選考過程であったいろんな話を回想しながら、「そうだったね」とか「順調に進んでよかった」などの楽しい話も気楽にできた。

短いガイダンス後、現地に向かわなければならなかったので、すぐ駅に向かった。本当に久しぶりにレトロな3両電車に乗った感じがした。乗客数は多くなかったが、僕以外にも観光客やお年寄り、運動服を着ていた学生など様々な方々が電車に乗っていた。目的地は別々だけれど、みんな大切な想いを持っているのだろう。
快速電車に乗ったのにも関わらず、大船渡に行く電車に乗り換えられる駅まで行くのに、2時間半もかかった。これで、岩手県ってこんなに広くて、まだまだ知らないところ・町がたくさんあったんだということを実感した。
さらに、大船渡に向けて行ったら、どんどんきれいな海が見えてきて、同じ岩手県だとしても、地域によって全然違うのだなと思った。単純に外の目線から、ある地域のことを大雑把に認識してしまいがちだが、今回ワーホリでは大船渡の町ごとの特色・魅力をちゃんと見ていくべきではないかと思った。

2023/03/13

名札をつけて、いよいよ今日からチームの ”一員” に

いよいよ今日は勤務初日。
10時まで事務室に来るように案内してもらったので、9時ぐらいには身支度をし、大浴場のある一階に向かった。エレベーターから降りて、右側を見ると、テラスの窓を通して輝いている大船渡湾の風景を眺められた。お客様もその窓の方を向いてお座りになり、ホテルでの最後を楽しんでいるように見えた。こんなきれいな光景を、宿泊中ずっと眺められるなんて、素敵なホテルだなと思う瞬間だった。
10時に事務室に入り、営業部長など事務関係の方々とも御挨拶をした。その後、大船渡温泉のオリジナルデザインが刷ってあるユニフォームをもらい、ちゃんと自分の名字が入っている名札までもらった。これで、今日から大船渡温泉の一員として頑張りたいと覚悟を決めた。

その後、みんなにやってもらったのが、流しワカメ!普段やる、流しそうめんを少々変えて、流されたワカメを取って食べるという異色なイベントだった。風と雨が強かったので、うまくできなかったのは残念だったが、他のワーホリ・インターン参加者や支配人・ホテル関係者の皆様とわいわいでき、嬉しかった。自分も三陸ワカメをこんなに楽しく食べるとは全然思っていなかったため、とても盛り上がったと思う。
午後からは、ちゃんと仕事。みんなと今日の夕食会場を利用するお客様の情報を確認、お客様への挨拶の復唱を行ってから始まった。ずっとホテルで勤務していらっしゃる社員の方を見習い、基本的にテーブルの拭き方、前菜の盛り方などを教えてもらい、夕食会場の準備に挑んだ。やっぱり初日なので、先輩がやることを真似するぐらいに過ぎなかった。特に、盛り方に関しても「高きから低きへ流れるように」することもしっかり教えてもらい、和食のおもてなしは深いんだと実感した。

18時からは夕食が開始するので、本格的にお客様を会場へ迎え入れた。初日だったため、全体的な流れを見ながら、どういう手順で接客を行い、夕食を提供していくのかを見ていく感じだった。しかし、思ったよりも色んな説明が必要であり、大船渡温泉自慢の漁師めしにはいろんな新鮮な海鮮が使われていたため、食材の名前も見慣れていないものが結構多く、覚えるのが大変だった。それで、緊張までしてしまい、先輩たちのサポートで少しずつやっていこうとしても、出し方や説明などが十分にできなかったことが結構あった。今まで、あまり何も考えず、楽しんでいた宿泊施設での飲食って、こんなにたくさんの人々の努力・工夫から成り立っていることだったんだと、色々考えさせられた。月曜の夜だったので、お客様が少ない方だったらしいが、今日の倍以上お客様がいらっしゃる週末にはどうしようと不安にもなるが、どんどん覚えていくしかないと思いながら、掃除機をかけ、初日の業務を終えた。

勤務途中、雨が止み、大船渡湾の方に虹が現れた!先輩は、こういう時に三陸の海はピンク色の可愛い海になるんだと教えてくれた。3か月に一回出るかどうかくらいだそうなので、勤務初日、意外とラッキーだったかも?(笑)

2023/03/14

【休日】 お休みの今日は、みんなで三陸おでんを嗜んで

今日は、OFFの日だった。この日は昼食の時間まで起きず、布団の上をゴロゴロしながら気楽に過ごそうとした。これもワーホリの特権?
写真のまとめなど、やることを少し済ませて、1時間ぐらいはホテルの周りを散歩しようとした。
ちょうど、コンビニに行ってエナジードリンクでも買おうかなと思ったので、近くのコンビニに足を運んだ。
ちょっと遠くから見た大船渡温泉、そして海辺の町。夕陽があたるところは少し温かくも感じ、この時間帯にだけ堪能できる優雅な色彩が現れる。

誰かが、地方・特に過疎化地域になっていくほど、「車がないと、人権もほぼないもの」と言っていた通り、正直多少不便な面もあるかなと感じた。幹線交通網の本数も少なく、大体1時間に1本ぐらい。少し歩いて行ったら、車だけが道路を走り出すだけで、歩いて移動するような人はほぼいなさそうだった。
頭の中で、地域活性化、SDGsなどなどが複雑に思われる瞬間だった。

ほかのワーホリ・インターンシップ参加者やフロント担当社員の方々と一緒に、そばなどが人気なお店・千秋庵に!!お刺身やてんぷらなど、たくさんいただいた。その中で、特に印象深かったのは「三陸おでん」だった。三陸各地で巧んだ水産加工技術などを生かし、三陸産の水産物を活用して極上のおでんを出そう!という、複数のお店が連携して推進しているプロジェクトだという。おでんの種類などに詳しいわけではないが、ご当地のものをごちそうになるということは、素敵なことだと思った。
この滞在中、大船渡温泉では私を含め、外国籍の方の受入をしていただいている。この日、「なぜ、中国出身のインターン生と韓国出身の私を同じ時期に受け入れたのか」に関して支配人に率直に聞いてみた。その答えは「多国籍の方々と一緒に働くことは楽しいし、大船渡にいるとそういう機会がなかなかないので、うちの従業員にも今の仕事に関して新しく考えられるきっかけを与えたかった」と言ってくださった。
それで、ありがたい気持ちでありながらも、私の行動・仕事の態度などが韓国・韓国人へのイメージとしてもつながると思われ、もっと慎重な行動を心がけようとも思った。

2023/03/15

お客様への些細な心配りが、配膳の奥義である

今日は2回目の勤務日であった。
昨日の夜、少し飲みすぎたせいか、(午後からの出勤だが)今日は完全に寝坊してしまい、起きたのが朝10時ぐらいだった。でも、その分ちゃんと休んだので、もっと元気が出るようになったとも言えるのではないだろうか。
気晴らししてから仕事に入ったほうがいいのではないかと思い、出勤30分ぐらい前、屋上に上がった。エレベーターにも「屋上に行ってみるのはいかがですか」と宣伝があるくらい、ホテル自慢の場所。コーヒーを一杯飲みながら景色を眺めると、いつ見てもきれいな大船渡湾につい見惚れてしまった。

今日も仕事の基本的な流れは同じだった。でも、今日も新しい学びがあった。その一つは茶碗蒸し台などの置き方!木材の器などに木目がある場合、お客様に向けて横になるように置く必要があるということだった。縦に置くと、お客様に”たてつく”という縁起悪いことになってしまうのだそうだ。こうやって細かい部分からお客様へのおもてなしが始まるんだということを改めて感じた。2回目だから少し慣れたかなと思ったが、わからないことがまだまだたくさんあるのだなとも思われた。

休憩の時間には、先輩たちと少し話し合い、韓国に関しても結構色んな話をすることができた。韓国の味付け海苔が好きで、大型スーパーで大量に買うとか、韓国のおすすめの観光地とか、好みの韓国料理とか…。
さらに、今日は13人の団体客のお客様がいらっしゃったので、パネルを組み立て、別の会場になるよう用意してから、お客様を迎えたが、そこでお客様に出身を聞かれ、韓国から来たと申し上げたら、「すごく丁寧に日本語を使ってくれてありがたい」と、いろいろエールをもらった。韓国のことが好きな方々も結構いることを実感し、もっと元気が出た一日だった。

2023/03/16

【休日】 釜石へドライブ ♪ 地域特産のジェラートも堪能

インターン生のCさんが行きたいと言ってくれたおかげで、今日は釜石にドライブに行くことにした。最初は一番有名な釜石大観音へ。
ほかの先輩から言われた通り、大観音は海の方を向いていて、さらに手には魚を持っていて、海と漁業で盛んなこの地域らしい大観音で面白いなと思った。大観音へお参りに行くとき、釜石湾の方も眺め、すごい絶景だなと、三陸の海はどこに行ってみても綺麗だなと思った。
釜石の人なら、誰でも知っているというたこ焼き屋を先輩から勧めてもらい、たこ焼き、焼きそば、たい焼きを買うことにした。店内飲食ができなかったが、ちょうど天気も良かったため、すべてのメニューをテイクアウトして食べた。ご当地B級グルメをちゃんと食べた感じがして満足した。(笑)

SNSで話題になっている、釜石のMiffyカフェは休館だったので、行けなかったのが少し残念だった。そのかわり、少し立ち寄った釜石市民ホールTETTOが意外とモダンなデザインで素敵だったので驚いた。TETTOは、元々鉄が盛んで鉄の都だった釜石を象徴する名でもあるそうだ。特に、和室まで用意されていることは、ほかの事例がなさそうに思われるくらい、すごく興味深かった。ただ、単純に見た感じとしては、まだ活用が充実にできている感じではなかったので、市民参加型の活用策を考えていく必要があると思われた。

口直しとして、いいデザートがあればいいなと思っているうちに、魚河岸(うおがし)ジェラート部という不思議なお店を見つけ、行ってみた。あまりにも不思議なことに、この店の営業時間は一日に2時間だけ。通常は事務の仕事を行う女性社員が、施設の活用促進と地域振興を2時間限定で行う部活のような活動でやっていくため、ジェラート「部」の名前の通り、一日2時間だけやるのだそうだ。その特徴から、遠くから来た訪問客からは、あまりにも営業時間が短すぎるという苦情もよく聞くのだと言う。私的には、面白いこの店ならではの魅力ではないのかなとも思ったが…。
ともかく、この店の不思議さというか面白いポイントは、これだけではない。ジェラートの味が独特で、メニュー一つ一つが地元の原材料をちゃんと使ったものだったのだ。例えば、味噌おこし×ミルクとか、いくら醬油などがその例。どうしてこんな味が開発できたのかと聞いてみたら、地域の特産品のメーカーさんからも原材料を提供してもらい、ちゃんとしたサンプルを作っていろんな組み合わせを試した結果、今のジェラートが誕生したのだそうだ。でも、全然変な味ではなく、誰でも楽しめる味だった。また食べたくなるくらい。

釜石港から釜石湾を眺めてみると綺麗だったが、ここも東日本大震災の際、大きな被害を受けたため、その痕跡が今も残っていた。(到達地点標識など)また、新しい防波堤も、震災から学んだ教訓を活かし、もっとちゃんとしたものに作ったそうだ。

夜には、一種の儀式(?)とも先輩方が言っている、社長との夕食会に参加した。社長との食事なんて少し緊張もしたが、社長が韓国に興味を持ってくれたことなど、いろんな話を面白くしてくれたため、思ったより気楽に楽しい時間だった。(なぜかチョ・ヨンピルという歌手の「釜山港に帰れ」という曲で、お互い通じたのが面白かった。笑)
さらに、社長からは、ホテル経営のストーリーや人生に関するいろんなアドバイスを話してもらい、有意義な時間になった。

2023/03/17

いよいよ週末が近づいてきた… 金曜日はその前哨戦 !

今日は業務開始前、ホテルの周りを少し散策してみた。
思ったより早く起きられなかったため、40分ぐらいの余裕しかなく、そこまで遠いところまでは行けなかった。
少し歩いて行き、滑らかなカーブが続く坂道を竹林や椿を楽しみながら降りていくと、名もなき海浜が現れた。そこの波や石がきれいだったし、波の音と風が林を通る音などを誰にも邪魔されず、楽しめて素敵だった。(後で調べたら「船河原(ふながわら)」という名前だった。)

今日も、前回の夕食会場準備とほぼ同じ業務を勤めさせてもらった。
今日の場合、今までの平日と比べ、週末前の金曜日であるためか、お客様の人数が増え、結構対応に迫われてしまった感じがした。対応を急ぐあまり、つい会場を少し走り気味になってしまったが、それはお客様に不安を感じさせることであり、控えるべきであるとご指導いただいた。

夜ご飯は、いつも夕食会場の仕事が終わってから、賄いをもらってお部屋で食べる感じだった。でも、今日は特別に先輩たちが、韓国の味付け海苔と近所の方の漬けたてのキムチを用意してくれた。多分、帰国前に韓国料理のことが懐かしくなる僕のことを思ってくれたのではないかなと思われ、すごくありがたかった。
また、今日は金曜日の夕食だったため、週末をここで過ごそうとするお客様が多くお越しになり、今までとは全く違う量の食器を片付ける必要があった。週末はどうしよう…と心配になった。

2023/03/18

ハプニング発生 !? 旅館で働くという心構えを再確認

午前中に、碁石海岸の方に向かった。
主な目的は、大船渡市立博物館に行って大船渡を勉強すること。
バスから降りると、アカマツの林のトレイルロードが見え、曇っている中、涼しく風が吹き、爽やかに散歩できそうだったので、少し歩き始めた。数分後見えたのは、雷岩(カミナリ岩)。波が狭い岩の間を通りながら、空気が圧縮され、雷みたいな音がするらしい。

展望スポットに上ると、真っ先がどこなのかわからないくらいずっと続くリアス海岸と水平線が見え、さらに波の音やカモメ(多分?)の鳴き声が聞こえ、リラックスすることができた。なんと美しい海岸。さすが、自然は大いなる画家である。

激しく雨が降る中、大船渡市立博物館に寄り、大船渡の歴史を学習。地質・化石などの分析によると、大船渡には古生代、石灰質の動物の死体などが、石灰岩となったのだそうだ。市内と近いところに、大きいセメント工場ができた理由がそこにあった。さらに、碁石海岸やリアス海岸などは中生代の堆積・隆起によるものだそうだ。
それから、縄文時代の遺跡が多数発見されたことも、今回の博物館での見学を通してわかった。そう言えばこの間、散歩中にあまり気にせず何もない丘(?)の傍らを通ったが、それも大きい縄文時代の遺跡だったことにやっと気づいた。この地から大洞文化が起こり、近畿・琵琶湖のほうまで伝来されるくらいすごかったそうだ。大船渡の潜在能力とでも言えようか、そんなことを確認した一日だった。

今日は午前中のお出かけの時、服などが結構雨に濡れたため、自分なりにはお客様に不快に思われないように最善の配慮のつもりで香水をかけたが、それが大変なことになってしまった。お客様に、飲食を提供するホテルの宴会場などでは、匂いがするということは禁止だったのである。こういう場での勤務経験がほぼなかったため、何も知らずに起こしてしまったミスだった。もう一回着替えてから、再び勤務に戻ることに。皆様にご迷惑をおかけしてしまった出来事だった。さらに、今日は今週の中で一番お客様が多い日だったので、夕食会場のオープンからは接客と片付けに追われてしまった。うまくやっていきたいという気持ちだけが先走りし、焦ってしまい、うまくいかなかったように感じた。うわーこれは大変大変!

2023/03/19

ピンチもチャンスに変えて、自信を持って説明できた喜び

午前中にはインターン生のCさんと一緒に大船渡市内にお出かけ。
天気がよかったため、先に、海辺の方に向かった。
威圧的に高く建てられていた防潮堤。東日本大震災の傷痕は続いている。でも、その防潮堤には当時の記憶を風化させないため、アート的な試みが行われ、そこまでさみしくも見えなかった。
さらに、階段を上り、防潮堤を超えると、素敵な公園があった。子ども連れの家族も多く見られ、特に子どもが笑顔で芝生をあちこち走りながら遊ぶ姿を見ていると、平穏な日々でいいな、この穏やかな日々がずっと続けばいいなと思われるようだった。また、都市の安全なインフラをまちづくりにどう生かせるのかということについても、もう一度考えさせられるきっかけになった。

今日お出かけしたのは、大船渡の銘菓、三陸菓匠さいとう 総本店のかもめテラスで、とある体験をするためであった。お土産として全国でも有名な「かもめの玉子」を、なんと自分で直接デコレーションし、持って帰ることが可能だと!久々に童心に戻り、早速作ることに。提供してもらったかもめの玉子のカステラパン(ベース)にチョコを塗り、自分なりのものが完成した!
この日は、かもめの玉子の黄色餡が入っているかもめソフトまで満喫!
大船渡に訪れる皆さん、ぜひ楽しんでみてください!

今日も夕食会場での仕事をやりながら、僕もほかの先輩たちみたいに、刺身など本日のメニューに関して、お客様に基本的な説明ができればいいなとずっと思ってきたが、なかなかできなかった。お客様に伝えなければならない内容が多く、メニューも種類も多かったため、練習が必要だった。それで、昨日も今日も、他の先輩たちがお客様の席に向かうときに、一緒に行き、補助しながら、どういう案内をするのか注意深く見て、自分なりにその内容を繰り返して、覚えようとした。
今日のスタッフの人数が割合少なかったが、どんどんお客様が来てくださり、会場は大ピンチ。この時こそ、お客様へ説明するということに挑戦すべきだと思い、いろいろ頑張ってみた。今まで、あまり自信がないと思っていたのだが、なぜかすらすら説明することができた!自分でも驚いた瞬間。ミスが完全になかったとは言えないが、お客様もいろいろ笑ってくださったり、私の未熟な接客も可愛く見てくださったのかなと思う。
あるお客様は応援までしてくださって、すごく恐縮で、ありがたかった。あとで聞いたが、あるお客様が、僕と話しやすかったと褒めてくださったそうだ。お客様の満足できるサービスを提供する仕事のやりがいを感じることって、こういうことではないかなと思った。やっと慣れたかなと感じ始めたタイミングで、来週からは朝食会場のシフトになることが残念に思われるくらいの収穫だった。

2023/03/20

【休日】 となりまち、陸前高田へサイクリング♪

今日は大船渡市の隣、陸前高田市へ一人で向かった。
観光物産協会の案内所から自転車を借りて、陸前高田一帯を巡ることができると分かり、協会が運営する「まちの縁側」という交流施設に向かった。こちらは新国立競技場などを担当した有名建築家、隈源吾氏が設計し、気仙杉と気仙大工の技術を活用して、誰にでも開かれる交流施設として建てられたという。

今回の旅は自転車で気軽にスタート!最初に、隣の追悼施設に寄って犠牲者への黙とうをした。
ちょうど昼間になり、お腹が空いたので、発酵食品が集まっている発酵パーク「CAMOCY(カモシー)」へ。思ったより規模が大きくなかったが、中に入ると個性のあるお店が数軒も出店していて、定食からパン、ビールまでいろいろ楽しめるおしゃれな空間だった。選択肢が多くて迷ったが、陸前高田市の醸造メーカが直営する、発酵食堂 やぎさわの醤油粕を食べて育った豚肉を使った「豚ロースのもろみ焼き御膳」を堪能。最初はあまり期待していなかったが、豚肉がすごく柔らかく、味噌のしょっぱさがご飯と一緒に食べるのにちょうどいいくらいだったので、幸せいっぱいに昼ご飯を食べることができた。豚ロース焼に使われていたもろみがうまかったため、カモシ―を出る前に、実家に持っていく醤油とサラダソースまで買ってしまった。(笑)

続いて行ったところは、高田松原津波復興祈念公園。前までは、道の駅のほか、松林が素敵なところだったらしいが、津波に襲われ、全部なくなり、道の駅の建物の外観だけが震災遺構として残っている。その地に国営追悼・祈念施設や津波伝承館、そして新たな道の駅ができた。追悼施設、展示館など公的機関が運営するところは硬い、入りづらいという印象もありがちだが、幹線交通網の主要拠点に、意味深い公共施設とお土産・ご当地グルメを販売する道の駅を違和感なく併設したことで、誰でも行きやすく、楽しみながらも学びもあり、「いい感じ」になったのではないかと思った。

津波伝承館も1時間くらい見学し、学び、感じたのは主に以下のことであった。
・三陸地方の人々は自然に恵まれ、豊かな水産資源などを利用しながら自然とともに生きてきたが、数回の大地震・津波を経験してきた。2011年の東日本大震災は今までの津波より、想定外に威力が強かったため、甚大な被害が発生し、犠牲者が多かった。その中でも、消防団・地域建設業者など様々な地域に住む人々の努力があり、少しでも被害を防ぐことができた。
・震災発生直後、被害復旧・救助・避難所確保など様々な支援、対策が行われたが、不備な点や改善余地のある部分があり、諸事項をしっかり検討し、今後の災難・危機対応に参考すべきであると感じた。

「まちの縁側」に自転車を返却し、陸前高田駅で帰りのBRTを待ちながら、もう一回、周辺の景色を見た。残念ながら、陸前高田駅から道の駅の間はまだまだ開発が進んでいない更地。掘削機だけがいろいろ作業をやっている感じだった。
地域住民によると、陸前高田市の場合、区画整理を終えてから再建・開発を進める方針であるため、これからまちづくりが進むのだそうだ。でも、少し歩いているところにあるカフェで、コーヒーを一杯飲みに行く途中に見えた、素敵な遊び場では、親と子ども何組かが楽しく遊んでいる姿が見えた。コーヒーを飲みながら、笑顔の家族、子どもこそ街の希望であり、新たな活力になるのではないかなとふと思ったのだ。復興事業はまちづくり計画に続いていろいろ行われるそうだが、これからもっと明るい未来が開かれることが期待される。

2023/03/21

今日から朝食会場勤務 ! 夕食との大きな違いとは ?

今日から朝食会場での勤務がスタート!
朝食の準備は、夕食とは結構違う感じであった。
先輩から聞いたアドバイスとして「夕食会場みたいに余裕をもって出すのではないので、もっと効率よく動く必要がある」と言われた。後で少し具体的に聞くと、朝食の場合、夕食とは違って、限られている時間(大船渡温泉の場合、夕食会場の運営は3時間ぐらい、朝食会場の運営は2時間ぐらい)の中でお客様に食事を出すので、皆さんがコンパクトに動いているのだと説明をしてくれた。会場が混む時間帯は、毎日変わって予測不可であるとも言っていた。

特に、今日はある高校の野球部の合宿のお客様も対応することになり、他の先輩たちはもっと早く出勤して、障子で会場を仕切り、別の朝食を準備していたそうだ。僕も準備されているおかずなどをセッティングし、お客様を迎えたが、数十人のお客様が、食事の前後にすごく元気に挨拶をしてくださり、ホテルサービスはお客様に元気を与える仕事なのだなとも思われた。

2023/03/22

大船渡は越喜来の、水門と、巨樹のおはなし

朝食会場の仕事を始めて二日目。
午前6時に出勤することになっているため、午前5時ぐらいには起きなければならなかった。自分なりには朝は強いと思っていたが、朝早く起きて、空腹状態でずっと仕事をすることって眠くもなるし、お腹がどんどん減ってきてついイライラしてしまうときがある。でも、他の先輩たちはもう5時ぐらいには出社するらしいので、皆さんすごく頑張っていらっしゃるんだなと思った。
朝食会場の準備・配膳・片づけは夕食会場よりもすごくコンパクトに進むため、他の先輩といろいろコミュニケーションを取るというよりは、仕事に没頭する感じだ。皿洗いが終わった食器・お盆がたくさんあったため、片付けるだけでも精一杯になった気がする。こんなときでも、ベテランの先輩たちは自分なりのコツを見つけ、工夫して、どんどんうまくやっている感じがして、参考にすべき姿だと思った。

仕事が終わってからは、学生団体の活動で震災周年行事などを行った越喜来地区に向かった。いつも見るだけだった三陸鉄道に初乗車。小さいワンマン気動車がプラットフォームに入ってきた。昔地元にもこういう感じのディーゼル気動車が通っていたため、懐かしい感じもした。留学途中に受講した地域経済学の先生に、日本の第3セクター路線の中で乗ってみるべき鉄道路線第一位としても勧めてもらっていたため、ワクワクした。
その名の通り、途中で太平洋に広がる三陸の美しいリアス海岸が見え、短い乗車であっても気晴らしができた。この間地域の高校生と話してみたら、いつもこれで通学をしているということだったので、三陸町の人々の生活を支えている大事な交通手段なのであろう。

さて、ここで越喜来の水門と、巨樹について話したい。
~越喜来の話 Part1~
「水門、ど根性ポプラ、三陸大王杉」
三陸駅に降りてから、久々に越喜来地区を1時間ぐらい散歩した。
降りてからすぐ防潮堤が見えたため、深く考えず、そちらの方向に向かった。防潮堤の方に上がると、水門の標識があった。建てられてからそこまで時間が経っていないと思いながら、海が見える方向にどんどん進んでみた。この後、旅館の方から聞いた話だが、この防潮堤と水門を建てるだけでも、住民同士、住民と自治体の間で何回もコミュニケーションが取られていたそうだ。単純に国からの方針を待って、従うというものではなく、地域住民の目線から見えることを県と国に要請し、今後もっと大きい津波に備えながらも、この水域に住んでいる生物にも優しい環境として整備されるようになったそうだ。こういう事例は今後、まちづくりや災害後の復興を進める際に、参考にできるいい事例だと思われた。
その後、この地区にある二つの樹木の場所にも足を運んだ。一つは、ど根性ポプラ、もう一つは三陸大王杉。
前者は昭和の大震災後に、商店街の敷地内に植えられたが、東日本大震災の時、周辺の建物などは全部流され、このポプラだけがこの周辺で唯一生き残っているのだそうだ。(ある意味で陸前高田の一本松よりもすごい!)それで、この地域のシンボルであり、希望の存在として記憶されるようになったこのポプラの周辺に、地域住民や越喜来を訪れる観光客の憩いの場として、広場を作ることにしたと言う。私有地と市有地を交換する交渉や、整備後、地域住民の管理の仕方などに関する議論などを経て、今の広場ができたらしい。
後者の三陸大王杉は、樹齢が1200年ぐらいになり、この地域のことを見守っている存在である。大王杉があるところに入ると、なんとなく大自然の雄大さ、パワーが感じられた。その前に建てられている三陸津浪受難者供養碑には「地震があったら高いところへ集まれ」など先人たちの教訓が書かれ、今日まで伝承されている。

三陸公民館長でもあるSさんと食事しながらいろいろな話を聞くことができた。特に、印象深く感じたのは「どうしようもない過去より未来を向いて歩んでいくべし」だということ。彼は震災の際、越喜来地区の復興委員会の長でもあり、自治体や国への協力を呼びかけ、いろんなことを進めたらしい。さらに、決断を下すべしというものは、迷わず進め、住民の総意を集めるべしの物事は決して意見に賛同するよう強いず、ちゃんと待ってあげるなど、円滑・適切、そして頻繁に意思疎通を行うことが重要だと強調した。常に未曽有の事態に直面したときの対応を工夫するべきだということで、今後ここでの経験を生かせられるように考える必要があるのではないかと思った。

2023/03/23

今日の夕食は、支配人とゆっくり語る時間に

朝食会場運営三日目。
同じ配膳の業務とは言え、やり方などに結構差があるんだな思った。
この大船渡温泉に着いてから結構時間が経ったのにも関わらず、なぜかなかなか慣れない感じがしたからだ。
私の場合、一旦仕事を任せてもらうと、仕事をうまくやっていきたい気持ちが強くなるため、気持ちと行動がうまく伴わないというときには、つい自分自身に苛立ってしまうときがある。さらに、このような仕事は今まであまりやったことがなく、2週間というごく短い期間だけで帰るかたちだったので、旅館の皆様に迷惑をかけているばかりではないかなとも思ったことがたくさんある。この事に関して、休憩時間中に相談したところ、「最初からうまくやっていく人って誰もいないし、まだまだ若いし、いまも十分頑張ってくれているから大丈夫だ」と励ましてもらった。
たまに厳しく指導を受けたり、仕事にたくさん追われてしまったり、ついミスをしてしまったりすると、落ち込んでしまったり、自分のことを攻めたりもした。ただし、長く頑張って、前向きにやっていくためには、間違ったことはちゃんと振り返るべきであるが、自分を攻めるだけよりも、自分のことに自信をも持つべきだと改めて気づかされた。

勤務のあとは、雨がどんどん降ってくる中、陸前高田市にある気仙大工左官伝承館に足を運んだ。最寄りのBRT駅から坂道を歩いて30分、立派な家屋が見えてきた。この地域は森林資源が豊富であって、前から木材を使って、家屋を作っていく職人が多くいたらしい。森から木を切ることから始め、大きい木を削って、加工して、直接作成した図面に基づき、木材に穴などを掘って複数のものを組み立てていく…実際大工が使ってきた道具などを見て、その丁寧さを感じることができた。また、明治時代の民家を想定し、気仙大工の工法で作られた建物も係の方の案内のおかげで内部までちゃんと見ることができた。障子などを長く保つために、ねずみくぐりなどを考案したとか、木材を繊細に加工してきれいな柄をいれた透彫欄間(すかしぼりらんま)は見事だった。彼らはきっと自然との共存、自然と美意識を考えてきた専門家だったのではないだろうか。

夜には支配人に招いてもらって、お寿司をご馳走してもらった!なかなかない、二人だけの時間だったため、支配人のモットーや今まで・これからの人生など、真剣な話をすることができた。意外とホテルに宿泊中、体調不良で苦労するお客様など、いきなりトラブルが発生することが多くて、支配人はすぐ対応できるよう、ホテルにほぼ住み込んでいる感じで仕事をするらしい。その分、仕事に集中できる理由は何なのか、聞くと、支配人としては前から「負けたくない気持ち」と、海外出張で経験した「観光の魅力」などがあるということを話してくれた。
自分も誰にも負けたくないと思われるくらい、興味をもつことができる仕事と出会たらいいなと思う一日だった。

2023/03/24

【休日】 平泉の世界文化遺産と、奥州の南部鉄器と

岩手に来る前から、世界文化遺産にも指定されている中尊寺の金色堂がすごく気になっていたため、大船渡から少し遠いけれど、今日は平泉へ行くことに決定!!!
最初は中尊寺と毛越寺ぐらいを巡ろうかと考えていたが、歴史などをちゃんと理解したうえで、文化遺産を楽しみたいと思い、新しくできた世界遺産ガイダンスセンターから訪問。地域としての平泉、世界遺産としての価値、平泉一帯の繁栄をもたらした奥州藤原家に関して理解することができた。

特に印象深かったのは以下の内容である。
・平安時代末期、国内情勢が混乱に陥るなか、人々は来世の極楽往生を祈り、現生で仏国土を表現することを重要に思ったという。その中でも、奥州地域を支配するようになった藤原氏はこの地で浄土を建設しようとし、様々な寺院などを建てたという。
・馬の飼育などで、当時地域経済が盛り、中国から磁器を輸入するほか、東大寺再建に金を奉納するなど、豊かだった。
・平泉の舘(たち)があり、システム的な執権・統治が行われるほか、宗教的儀式や各種宴会などもそこでちゃんと開かれるなど、当時奥州地域で中枢機能を行う中心地があった。さらに、折敷(おしき)、宴会のために一回使用食器として使われたかわらけ(土器)が発見されたことで、文化も盛んであったことがわかり、平安時代の奥州は結構先進的だったとも思われた。(特に独自の印を使い、公文書を発行したということが素晴らしかった。)

ちょうどガイダンスセンターの前に道の駅があり、何かデザートでも食べらればいいなと思って少し寄ってみた。平泉や岩手の特産品などが販売されている中、面白かったのが、平泉産の和辛子を使ったソフトだった。食べてみたら、意外とそこまで臭くなく、辛子だねを噛みながら、さっぱりした辛子の味を堪能することができた。意外だった(笑)
次に、平安時代の庭園の原型が今も尚残る、当時の造園技術の高さを感じられると言われる毛越寺へ移動。本堂まではまぁまぁと思ったが、本堂から右の方に行くと、優雅な曲線などが目立つ湖が見えた。寺院のほとんどの建物が焼失し、今は跡地として残っているため、想像しがたい部分もあったが、寺院の建物が日光で光り、さらに池の表面が照らされると、それこそ浄土として見えたのではないだろうか。実際に、池を半分ぐらい回り、入口から反対側を眺めてみると、本堂がまさにそういう感じで、京都府にある宇治の平等院みたいに美しく見えた。さらに、池にはいろんな工夫で自然が表現され、島・砂場・山などが表現されているのも平安時代の庭園として楽しめるポイントだった。池中立石はすごく印象的だったので、その前で写真も撮っておいた。(もっと驚いたのはその下の部分にちゃんと玉石で斜面を丁寧に作っておいたということ。)

いろいろ集中して鑑賞していたらお腹が減って、毛越寺から歩いて5分ぐらいの蕎麦屋に入った。適当に入ったのだが、なんと珍しく暮坪(くれつぼ)そばだと?あとで詳細を聞いてみたら、大根おろしの代わりに年中特定の時期にだけよく収穫できるカブで作ったおろしを添えて出すのが、暮坪そば。マスターが強く自信をもって出してくれたので、つゆにカブおろしを入れ、そばをつけて食べてみたらこれはなんと!少し辛みがするのに、そんなに強くないし、さっぱりしていて、そばの味を邪魔しない!花巻で栽培される蕎麦を使い、かつて花巻で商売をしてきたというおじさんは、岩手に訪れる方々にもぜひ食べてもらいたいという気持ちで数年前から平泉にもお店を出したのだそうだ。すごく誇りをもってカブのことを紹介してくれたので、もっと楽しく食べることができた。

そのあと、中尊寺に向かった。本堂でお参りをしたうえで、参道を少し上り、金色堂へ。「五月雨の 降り残してや 光堂」という松尾芭蕉の俳句でも賛美された中尊寺の金色堂。中に入ったら、何もかも金箔で、中の仏像などがすごく繊細につくられていて、仏壇がそのままで光っている感じがしてすごくびっくりした。入ってからあちこち見ながら10分はずっと観察(?)していたと思う。藤原家4代の遺体などが納められているらしいが、彼らの浄土・仏国土づくりに対する執念がすこく伝わり、感心した。撮影禁止になっていて写真が1枚も撮れなかったのが惜しいくらいだった。

最後は奥州市水沢にある鋳造所へ。訪れた及富は、8代続いて南部鉄器づくりを続けてきたところ。
工房の中では毎日職人たちが鉄を溶かし、地道な作業をしているそうだ。奥州で仏器などの用途で鉄器が使われ、南部鉄器として定着したが、現在南部鉄器として人々が思う鉄瓶などはその歴史が短く、茶道などが栄え始めてから、江戸時代ぐらいに入って本格的に作られてきたそうだ。さらに、黒色の方も全部丁寧な着色過程を経て作られるもので、ここ最近だと、地元奥州市の国立天文台チームがブラックホール撮影に関わったことを記念し、コラボレーションして鉄器を作るなどの新しい試みも行われているそうだ。(黒色の鉄瓶は自然の色ではないかなと思って聞いてみたら、鉄板とかの色って何でしょう?って逆に聞かれ、自分が間違って考えていたということに気づかされた。)
ちょっと高価なものなので迷ったが、せっかくだったし、ずっと南部鉄器のことが気になっていたので、自分でお茶やコーヒーを入れる目的で水を沸かすのにふさわしいものを勧めてもらい、買ってしまった。国に帰ったら丁寧に使いたいと思う。

2023/03/25

今日は、覚悟(念願)の朝番と遅番の二刀流シフトの日

前からずっと、朝と夜、両方の勤務をこなしている先輩Kさんがいた。
配膳の仕事は結構体力が必要とされる仕事なのに、彼はベテランだからなのか、誰よりもスムーズに仕事をする感じがした。実は、自分なりに、先週の夕食会場でいろんなことを教えてもらって頑張ることができたのに、このままずっと朝のシフトだけでワーホリを終えるのはなんだかもったいないなと思っていたのだ。ちょうど二日前、支配人と夕食を食べた後、「希望であれば、もっとシフトに入れるように調整ができる」と言っていただき、支配人と相談の上、一週間の中で、一番忙しいと思われる土曜の夕食会場にも入ることにした。
一日に朝食・夕食両方に入る分、勤務時間を少し調整してもらい、自分なりに覚悟したことでもあったが、実際結構大変だった。特に、夕食タイム中盤からは、疲れとともに働いている感じがした。それでも、耐えられた(?)のは、お客様に対する気持ちだったと言うか、お客様が幸せなお時間を過ごせるよう、自分も笑顔で誠心誠意尽くしたからだと思う。お客様に今日のメニューなどをしっかり説明することで、なぜか自分自身も気持ちよくなった。意外と、人とコミュニケーションを取る仕事に向いているのかもと思われた。
仕事が終わったあと、社長からいきなりお誘いが…この間、一緒に盛り上がったチョ・ヨンピルの「釜山港に帰れ」という曲を、カラオケ伴奏に併せてデュエットで歌い、それを動画で残そうと…。最初に夕食を食べながら話したことが、こんなに大きなことになるとは…!

2023/03/26

大船渡で過ごす最終日は、思い出の地・越喜来にて

今日は最後の勤務だったが、そう簡単に終わりとはならなかった。
なぜなら、滞在したこの2週間のワーホリ勤務の中、一番多いお客様がお越しになったからだ。
勤務開始の時から、朝食会場と厨房には緊張感が漂っていた。でも、これは仕方ない!頑張るしかない!と、スタッフ一同気合いを入れて動き、一番忙しかった朝食会場の運営を無事終えられたと思う。

今日で大船渡で過ごすのはほぼ最後だったため、大船渡を去る前にお世話になった、地域の高校生と会って、いろんな話をした。その後、最後の夜は越喜来地区で飲むことに。それで、また三陸鉄道に乗り、三陸駅に向かった。駅から降りていくと、いつも大津波資料館「潮目」が見えるので、その話を少ししよう。

~越喜来の話 Part2~
「潮目にある旧越喜来小学校の避難階段」
大津波資料館「潮目」には震災当時のがれきなどを使って子供の遊び場が作られている。震災当時の越喜来の写真など、いろんな資料があったが、一番注目したのが、旧越喜来小学校の非常階段。当時の市議会でもいろんな反発の声があったが、避難経路を短くする階段の設置を推進し、震災発生の半年ぐらい前に建てられたそうだ。その結果、津波警報後、全員無事避難ができたのだと言う。津波に襲われた越喜来小学校の撤去をする当時、階段もなくなる予定だったが、潮目を作った一人であるKさんがこれを引き受け、後の世代にも伝承できるようにしたのだそうだ。これは、「津波に襲われそうな時、一刻も早く高台に避難できるようにする」という貴重な教訓を我々に伝えているのかもしれない。

雨風が激しい中、三陸駅から歩いて5分ぐらいにある小さい商店街の食事処 秀っこねぇへ。そのお店の、韓国ドラマが好きなしゅっこねぇさんは、韓国から来た、言わば観光人である私をいつもあたたかく歓迎してくれた。それで、今回のこの大船渡ライフは、この場所を最後の記念にしようと思って訪れたのだ。ちょうどほかの地域の方々も何人かいらっしゃって、わいわい盛り上がったし、勧めてもらったあんかけ蕎麦をつまみにして、ビールと日本酒がうまく飲めた。
そのあと、雨が激しかったので、ほかのお客様の車に乗せてもらい、大船渡温泉に戻ってからは夕食スタッフの皆様に最後のご挨拶を。何も知らないし、こういう経験が浅い僕に最初から優しくいろいろ指導してくださった方々だったので、最後の挨拶をするなんて、なぜか寂しかった。
また、遊びにきてね、一緒に働いて楽しかったという皆様からのメッセージは、すごく感動的だった。

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